アドラーの理論の中に
「人間のどんな行動にも目的がある」
というものがありますが、
今日は先日のELM講座で受講生さんから出たお話を事例として
「問題行動」(本当は問題ではないのですが)について考えていきたいと思います。
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Aくんは小学4年生。
毎週末、少年野球チームで練習をしています。
その日はAくんのお母さんも観戦に来ていました。
1時間ほど練習した後、昼ごはんを兼ねた休憩に。
Aくんのお母さんは練習をがんばった子どもたちに
赤や緑、黄色など色んな色のミニゼリーの入った袋を持って
「お疲れ様〜!好きなの取っていいよ!」
と配り始めました。
子どもたちは次々と自分の好きな色のゼリーを取っていきます。
そしてAくんの番がやってきました。
「あなたはハイ、これ、黄色ね」
お母さんはAくんに黄色のゼリーを渡しました。
だけどAくんは黄色ではなく赤が欲しかったようで、
「僕こっちがいい!」
と赤いゼリーを取ろうとしましたが、
「いいのよ、あなたは黄色で」
と変えてくれません。
Aくんはお母さんを叩き始めました。
「やめて!やめなさい!」
というお母さんに気づいたコーチがAくんに声をかけます。
「親に暴力をふるうなんて、なんてやつだ!」
その後、Aくんはどこかに走って行ってしまいました。
(後にAくんは見つかりました)
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始めにお話ししましたように、
「全ての行動にはポジティブな目的がある」
のでしたよね。
ここでの公の目に留まりやすい問題(と一見見えるもの)は、
「Aくんがお母さんを叩いている」という事実。
全ての状況を見ていなかったコーチは
「お母さんに暴力を振るうAくん=悪い」
になっていますが、
ここで従来通り「なぜ暴力を振るったのか」という原因論でアプローチすると
その答えは「お母さんが友達の希望は聞くのに僕の希望は聞いてくれなかったから」になるでしょう。
原因論でアプローチする問題点は、犯人探しになってしまう、ということ。
それで両者が受け止められるといいのですが、
犯人探しになった場合、罪のなすり付け合いにもなりかねず、
どちらも主張ばかりになってしまうことも。
では、目的論でアプローチするとどうなるでしょう。
「何のためにAくんはお母さんに暴力をふるったのでしょう?」
時間が来たので、今日はここまでにしましょう(*^_^*)
みなさんも考えてみてください。
ポイントは「何のために」暴力を振るったのか、
です。
解説は明日の記事に書きますね(*^_^*)
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